ロングステイ財団、認定アドバイザーがご案内します海外渡航情報。
本日は、外務省から発表されております、
「海外邦人事件簿」シリーズ。
実際に起こった事例となりますので、
ご渡航をご予定されていらっしゃる方は、
旅の計画や海外旅行保険加入の際の現地情報把握のご参考にしていただき、
くれぐれも現地での滞在にはご注意下さい。
※このブログの情報ソースについて、当発信者が外務省へ著作権の確認と、
文章引用について関係部署への報告・確認を行い、皆様方にご案内しております。
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先日、在ホノルル日本総領事館の領事が沈んだ声で報告してきました。聞けば、この半年の間、ハワイにおいて事件や事故で入院した方が16人に上ったのですが、このうちICU(集中治療室)で治療を受けた方が15人おり、そのうちの11人が海外旅行保険をかけておらず、自己負担を余儀なくされたそうです。同総領事館が扱った今年のケースをあげると次のとおりです。
0代男性Aさんは、ハワイに到着直後に吐血したため救急車で病院に搬送され手術を受けました。それから約2週間ICUで治療をうけましたが、海外旅行保険に加入していなかったこともあり、小康状態となったところを見計らって帰国しました。
40代女性Bさんは、ハワイで海水浴中に溺れ、急ぎ病院に搬送され、ICUで治療をうけました。幸い、3日後に退院できましたが、海外旅行保険に加入していなかったので、医療費は全額自己負担でした。
米国の医療費は高額なことが知られています。ましてやICUともなれば、その医療費はぐっと高くなり、総額1千万円を超えることも珍しくなく、数千万に達したケースが報告されたこともあります。実際に、ある海外旅行保険会社によると、ここ5年間で扱った日本人医療費の最高額は、病気でハワイにある病院のICUで治療を受けたケースで3800万円だったそうですが、こちらは全額が海外旅行保険の適用となり、ご家族の金銭負担はありませんでした。
例えば、熱帯特有の病気がまん延している国であるとか、治安が良くない国であれば、旅行前に保険をかけようという意識が働きやすいように思えます。しかし、ハワイを含めて、日本人旅行者の多い国や近い国への旅行は国内旅行と同様に考えてしまうのか、海外旅行保険に加入しないまま出発してしまう方が少なくないように思います。
健康に自信がある方でも、交通事故や水難、レジャーやスポーツ中の事故などで病院に搬送されることがあります。また、クレジットカードに付帯する海外旅行保険をあてにされる方もおられますが、こちらの一般的な上限金額はせいぜい数百万円のため、深刻な病気やけがの場合には全く足りないということは意外に知られておりません。
海外旅行保険に加入していなくとも、日本の健康保険が海外でかかった医療費を一定程度は負担してくれますが、まず現地で全額を支払った上で、健康保険組合に請求をする必要があります。
自分自身では諦めがついても、見守る家族は最善の治療を願いつつも費用が嵩むことに無関心ではいられません。1週間の海外旅行に必要な保険料は数千円程度からあります。加入手続きはインターネットでもできますし、出発する空港の自動販売機を利用することも可能です。特に、医療費の高額な米国等へ旅行される場合は、最高額の医療費・緊急移送費等をカバーできる保険への加入をお勧めします。