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本日は2015年8月現在、インドネシアでの「注意を要する病気」に関するご案内です。
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インドネシア/注意を要する病気②
地域により状況は大きく異なります。ここではジャカルタを念頭にご案内します。
【デング熱・チクングニヤ熱】
デング熱は、インドネシアの風土病の一つで、1960 年代から各地で流行が散発し、2000 年以降報告数が増えています。マラリアと異なり都市部でも発生します。原因はウイルスで、蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に刺されて感染します。
早朝や夕方(~夜間)に、屋外より屋内で刺されて発症するケースが多いようです。感染は通年発生しますが、蚊が繁殖しやすい雨季に増えます。典型的な症状としては、倦怠感、発熱、関節痛、頭痛、目の奥の痛みなどで、38 度を超える熱が数日続き、その後発疹が出現します。一段落してからも数週間は肝機能障害や倦怠感が続く厄介な感染症です。
重症度は様々で、風邪程度で済むケースもあります。一般に感染を繰り返すと重症化(出血傾向やショック状態)すると言われますが、インドネシアでは初回感染で重症化するケースが散見されます。
ジャカルタの在留邦人からも毎年何名も発症者が出ていますし、バリ島やロンボック島からシンガポールへ緊急移送された邦人の重症化事例も複数あります。
チクングニヤ熱は、デング熱と同じ蚊が媒介するウイルス病で、症状もデング熱と似ていますが、手指、手首など関節が腫れて痛みが強く長引きやすいのが特徴です。インドネシア各地で報告があり、日本人旅行者の感染例も報告されています。
デング熱・チクングニヤ熱共に、ワクチンも特効薬もないため、予防は防蚊対策に尽きます。発症して1週間ほどは蚊を介して他人にうつる可能性があり、ご家族や看病する方も注意が必要です。
【赤痢アメーバ症】
診断・治療ともに厄介な寄生虫感染症です。飲食物や汚れた手指を通じて経口感染するほか、性的接触による感染も知られています。粘血便を来たす重症の「アメーバ赤痢」が有名ですが、下痢・腹痛はあるものの血便が殆ど無い軽症例もあります。潜伏期は普通数週間で、腹痛、下痢、血便、発熱などで徐々に発症すると言われています。腸から飛び火して、肝膿瘍や脳膿瘍を来たし致命的となる場合もあります。診断には便検査が必要ですが、一度では分からず繰り返し検査してやっと診断がつくケースもあります。下痢が長引く場合や血便では便検査を受けてください。
特効薬(メトロニダゾール)は、内服後に倦怠感や気分の落ち込みなどが出やすく、妊娠中は禁忌とされています。