本日は、外務省から発表されている世界の医療事情をご紹介。
テキーラやサルサソースを思い出すメキシコ。
アメリカと国境をまたぐ国で、
サンディエゴから車で約30分ほどでメキシコのティファナに
到着できる立地から、アメリカ旅行の際、日帰りで行かれる方も
多いのではないでしょうか?
1. 衛生・医療事情一般
メキシコ全体の気候は緯度・高度・山脈の走行・気圧・降雨・海流などの要因によ
り多様性に富んでいます。概ね、北部は乾燥していて、夏と冬の気温差は激しい一方
で、南部は1年中高温多湿です。首都メキシコシティは標高2240メートルの高地に位置
しており、気候は年間を通じて温暖で、最も寒冷な12月と1月で東京の秋程度、一番暖
かい4月から7月で東京の初夏程度です。1年を11月~4月の乾期と5月~10月の雨期に
大別できます。メキシコシティでは、90年代初めより大気汚染が深刻化しており、特
に乾期には光化学スモッグが問題となっていましたが、近年ディーゼル車の制限やク
ルマの排気ガスの定期チェック等の対策によって改善の方向に向かっています。
アメリカの隣国でということで、医療レベルも一定の水準にあります。
都市部の私立病院の中には、アメリカと比較しても遜色ない水準の医療を受けられ
る病院もあります。ただし、公立病院では予算不足によって機材や設備の老朽化、医
薬品の不足などが問題となっており、満足な治療が受けられない場合があります。
医師を含め、英語の通じない病院スタッフがほとんどです。
入院の場合、あらかじめ支払い能力の有無を聞かれる場合があります。
まれに治療を拒否される場合がありますので、海外旅行保険への加入をお勧めします。
2.かかり易い病気・怪我
(1)高山病
:標高2240mのメキシコシティでは、少なからず日本人が大なり
小なり高山病の症状に悩まされています。高地で適応するには個人差があります。
低血圧の人ほど高山病に罹りやすいという報告もあります。頭痛、吐き気、腹部膨
満、動悸、息切れ、倦怠感、不眠等の症状が見られます。重症例では呼吸困難や意識
障害が現れます。無理に動き回らないことや水分を多く摂取すること、ダイアモック
スを服用する等の対策をとってください。
(2)呼吸器疾患
:一時期より減少したとはいえ大気汚染は深刻です。現在で
も粒子状汚染物質(PM10)やガス汚染物質(OZONE)を指数化して警報を発令していま
す。前者は肺の奥まで入り込みそのまま体内に取り込まれてしまうため、健康への影
響は気管支炎等の炎症性変化、アレルギー性変化、繊維・結節性変化、九州による身
体的影響及び肺炎です。後者は目やのどの刺激症状が一般的ですが、ひどい時には胸
部絞厄感、呼吸困難、視力低下、頭痛、胸部痛といった症状が見られます。
警報が出された時には極力外出を避け、よくうがいや手洗いをしてください。
(3)紫外線の影響
:一般に高地では紫外線量が強く、有害紫外線は大気汚染
物質に吸収されるので、大気汚染のない晴れた日は有害紫外線に注意しなければなり
ません。人体への影響は皮膚に対して皮膚炎、色素沈着、皮膚癌、目に対しては結膜
炎や白内障の原因になっています。
(4)その他
:デング熱はメキシコ湾沿岸地域で、マラリアは主に南部のチア
パス州やオアハカ州等で散発的に見られます。食中毒(腸チフス、パラチフス、サル
モネラ、赤痢)や寄生虫(アメーバ、ジアルジア、蟯虫、回虫、条虫)は全国的に比
較的多く見られます。
3.健康上気をつけること
(1) 生水を飲むのは避けましょう。
(2) 都市部では、治安が悪化していますので外出して運動する機会が少なくなりが
ちです。スポーツクラブ等、身体を動かす機会をつくるように努めましょう。
(3) 夜更かしを避け、睡眠を多く取りましょう。
(4) うがいや手洗いを心がけましょう。