トルコの医療事情とは?

本日は、外務省から発表されている世界の医療事情をご紹介。
今回はトルコ。

日本人旅行者に大変渡航先として人気があり、親日の国としても知られています。

衛生・医療事情一般

 トルコは日本で言えば青森くらいの北緯35度から40度に位置しています。夏は
日本より気温が高い(40℃以上)ものの、乾燥していて朝夕は過ごしやすいです。
冬のイスタンブルは暖かですが、標高1000mのアンカラでは‐20℃まで気温が
下がることもあります。アンカラは例えれば、東北地方の高原気候に当たります。
トルコは一見欧州の都市のように見えますが、アンカラでも最近アメーバ赤痢など
の感染例があり注意が必要です。また、南東部の一部にマラリアが存在しますが、旅
行者の立ち寄る場所でなく、またマラリア自体も危険なタイプのものではありませ
ん。狂犬病に感染する可能性はほとんどないのですが、犬に噛まれれば病院でワクチ
ン接種を受けた方が安心です。野犬が多く、不用意に手を出し噛まれる日本人が多い
ので注意が必要です。
なお、観光地にはクリミア・コンゴ出血熱は確認されていませんので、ご安心下さ
い。

かかり易い病気

(1) 旅行者下痢症(広義):入国後1週間前後で下痢を経験する邦人が多いようで
す。ヒツジなど油分の多い料理が続いたり、あるいは疲労の蓄積が原因となることも
ありますが、食中毒(サルモネラ、赤痢、ブドウ球菌など)の可能性も高く注意が必
要です。

(2) 肝炎:A型、E型肝炎はウイルスで汚染された水、食物を介して感染し、黄疸
が出現するまでは風邪に似た症状を呈します。またトルコではB型ウイルス肝炎のキ
ャリアーが500万人に達し、出生時点でのB型肝炎ワクチン接種が義務づけられて
います。A・B型肝炎ともに日本での予防接種をお勧めします。

(3) 結核:結核が死因の第二位になっており、微熱や咳などが続くときにはレント
ゲン検査が必要です。

健康上心掛ける事

(1) 飲料にはミネラルウォーターを使い、外食での生野菜の摂取は避けるようにし
ましょう。

(2) 肉、魚、卵などの非衛生的な調理も病気の原因となる場合が多いと考えられま
すので、屋台等の利用は避ける方が望ましいと考えます。

病気になった場合(病院等)

 大学病院には優秀な医師がいるものの、外来は非常に混んでおり、トルコ語が話せ
ない一般邦人には利用しづらいようです。費用は高くても医療設備が揃っていて清潔
な私立病院を利用した方が安心です。救急で受診する場合は、救急車よりタクシーを
利用した方が早く確実に病院へ着きます。

医薬分業が徹底しており、入院治療でない限り、すべての治療薬は市中にたくさん
ある薬局(ECZANE)で購入します。一回の処方箋を何回も使えますし、処方
がなくても薬の名前を言えば購入できることが多いようです。

下記に24時間救急を受け付けている設備の整った私立病院を列挙します(救急はア
ジルAcilといいます)。

◎アンカラ

(1) バユンドル病院(Bayindir Medical Center)
所在地:06520 Sogutozu
電話: (0312)287-9000
概要: 少し郊外にあるものの、アンカラでは最も医療設備の整った私立総合病院の一
つ。歯科、精神科、リハビリ以外のすべての科があります。

(2) バユンドル診療所(Bayindir Clinic)
所在地:Ataturk Bulvari 201
電話:(0312)428-0600
概要:上記病院の分院で、市内の中心地にあります。歯科を含めほとんどの診療科が
あり、入院設備もあります。小規模ながら使い易い病院です。

(3) ギュベン病院(Guven Hastanesi)
所在地:Simsek Sokak No.29, 06450Kavaklidere
電話:(0312)468-7220
概要:市内の中心部にあります。200床のうち49床がICUであり、心臓疾患を含め、救
急疾患を加療の中心においた病院です。年間心臓手術の件数は約1000件で、全身麻酔
を使わない硬膜外麻酔による心臓バイパス手術で有名です。邦人の急患がよく運び込
まれています。

(4) シティ病院(City Hospital)
所在地:Buklum Sok. No.53 Kavaklidere
電話:(0312)466-3838
概要: 以前まで外来診療主体でしたが、最近70床の24時間救急病院を併設しました。
院内は清潔で設備がそろっており、心臓血管外科職員も充実しています。

○イスタンブル

:下記の病院はどれも医療設備の整った、近代的な総合病院です。

(1) ドイツ病院(Alman Hastanesi)
所在地:Siraselviler Cad. No.119
電話:(0212)293-2150
概要:タクシム広場からすぐの場所で、市の中心部にあります。

(2) アメリカ病院(American Hospital)
所在地:Guzelbahce No.20 Nisantasi
電話:(0212)231-4050

(3) International Hospital
所在地:Istanbul Cad. No.82 Yesilkoy
電話:(0212)663-3000
概要:市の郊外、国際空港の近くにあります。日本の労働福祉事業団の提携病院の一
つで、日本で短期研修を受けた職員も多く、ヘリポートも完備しています。

(4) ナイチンゲール病院
・所在地:Caglayan, Abide-i Hurriyet Cad. No.290 Sisli
電話:(0212)224-4950
・所在地:Gayrettepe Mah. Cemil Aslan Gurder Sok. No.8 Gayrettepe
電話:(0212)288-3400
・所在地: Mehmetcik Cad. Cahit Yalcin Sok. No.1 Mecidiyekoy
電話:(0212)212-8811
概要: 三つの病院からなる、グループの病院で、Sisliの基幹病院は1989年にトルコ
心臓病協会により設立された262床の病院です。年間の手術件数は心臓手術が2200件、
一般外科 手術が3500件です。その他の2施設もそれぞれに特徴ある診療科目を掲げて
おり、最新の設備を揃えています。

(5) タクシム救急病院
電話:(0212)252-4300)
概要:ドイツ病院の向かいにある、あまりきれいとはいえない公立救急病院。日本人
旅行者が睡眠薬強盗にあってから運び込まれる所。以前の対応は不親切だったが、ト
ルコ地震で日本の援助が知られるようになってから改善されたという。Dr. Suleyman
BAYRAKTARが交渉窓口であり、耳鼻科のDr.Mehmet KULEKCIは日本に留学経験あり。

○カッパドキア

(1) チャール病院(Cagru Hastanesi)
所在地:Yeni Mahalle Sahil Sokak
電話:(0384)212-9797
概要: 町の中心部にあり、医療設備もだいたい揃っています。重症時には、ヘリコプ
ターでイスタンブルへ移送出来ます(費用:約8000ドル)。

飛行機

8.詳細情報アクセス先(ホームページ等)

トルコ大使館ホームページ:http://www.tr.emb-japan.go.jp/