2003年、イスタンブールで爆発テロ事件があった翌日、
外務省にこの様なご相談があったそうです。
「テロの心配で旅行をキャンセルしたいが、旅行会社からは『外務省の危険情報が
上がらない限り旅行は実施するので、キャンセルする場合は所定のキャンセル料を
いただく』との回答。危険情報を引き上げてほしい」
この種のキャンセル料を巡るトラブルは今に始まったものではなく、
2002年のバリ島でのテロ事件をはじめ、海外で大きな事件が起こる都度、
外務省に寄せられるそうです。
2004年4月に外務省は危険情報の全面的な見直しを行い、
従来の5段階の数値表記から4つのカテゴリーによる文章表記に改定しました。
以前の危険情報は数値のみがクローズアップされ、本来の目的である「安全対策
の参考情報」としての役割が十分に機能していなかったことも見直しの理由の
一つでした。
これを契機に、旅行者はもとより、旅行会社にも安全対策に一層の主体性を
持っていただくという考えから、従来は危険情報レベル2の「観光旅行延期勧告」が
出た場合、政府から自粛を要請していた主催旅行についても、旅行会社の自主的
判断に委ねることとなりました。
したがって、主催旅行の実施・中止の判断は全て旅行会社自身が行うことになっ
たのですが、未だに判断を危険情報のみに委ねている旅行会社もあるようです。
危険情報を判断材料の一つにしていただくのはもちろん結構なことです。
しかしながら、今でも「危険情報が変わらないから旅行を実施する」、
あるいは「引き上がったから中止する」という単純な応対をしている会社は、
残念ながら、顧客に対し安全に関する説明責任を放棄しているといっても過言では
ないでしょう。
逆に、危険情報の見直し以降、安全対策に積極的に取り組んでいる会社も
あります。
例えば、イスタンブールのテロ事件で外務省が危険情報を引き上げた後も、
現地のホテルや観光地のセキュリティを自社でチェックし、顧客との信頼関係を
保ちながら主催旅行を継続した会社もありました。
これから旅行を計画される皆さん。旅行契約する際には、料金の安さばかりでは
なく、旅行会社の安全面の対応もしっかり確認しておきましょう。
信頼のある旅行会社は、旅行者の安全を第一に考えるものです。
「危険情報」のみにあなたの安全を委ねている会社は「危険」です。
(外務省HPより抜粋)