皆さんは海外で警察官と名乗る男にとっさに声をかけられた時、
どういう反応をするでしょうか。
おそらく多くの方はごく当たり前のようにその言葉を信じてしまうのでは
ないでしょうか。
『チェコに旅行した30代の男性。プラハ市街を歩いていると、見知らぬ人が
近づいてきて「チェンジ・マネー」と声をかけてきた。男性はその男を無視
してやり過ごした。しばらくして警察官を名乗る私服の男が現れ、「今、外貨を
両替しなかったか」などと質問し、旅券や財布の提示を求めてきた。
所持品検査は直ぐに終わり、容疑も晴れたのでホッとしていたが、
後で財布を確かめると高額紙幣が何枚か抜き取られていた。』
『ケニアに旅行した20代の女性。ナイロビ市内の喫茶店で知人と話し込んで
いると3人の男が近寄ってきた。男達は麻薬捜査のために所持品を検査するので
財布を見せろという。しかし、質問の仕方に不審を感じた彼女は男達に警察の
身分証明書を見せるよう強く言い、最後には警察署に確認すると言ったところ、
あわてて立ち去った。』
この偽警官は相当に胡散臭かったのでしょう。また、場所が喫茶店で周囲の
目もあったためか、女性が強く出たら退散してしまいました。
しかし、これが路上だったら、相手の術中にはまってしまったかもしれません。
多くの偽警官は私服であらわれ、「麻薬」や「偽札」の捜査中だと称するよう
ですが、中には制服警官とも見える紛らわしい服装をする者や本物と見分けが
つかない偽の身分証明書を持つ者もいるようです。
誰でも警官から職務質問されればビックリして、とりあえず質問に答えようと
するでしょう。この女性のように毅然とした態度で、「身分証明を求める」、
「警察署に出向く」、「日本大使館への連絡を求める」等の反応を示せば、
ほとんどの犯罪者が立ち去ると思われます。
しかし、とっさの判断で機転を利かすのはなかなか難しく、多くの人は
チェコに旅行した男性のような憂き目に遭ってしまうのでしょう。
結局、偽警官による被害を防ぐ一番簡単な方法は、あまり現金を持ち歩かないと
いうことにつきるようです。