本日は、前回に続き海外旅行でよくあるトラブルの統計のご紹介。
今回は、財産犯罪の被害に遭う日本人の男女の別にスポットを当て、
その傾向や特徴を見てみましょう。
1. 被害になる確率は男性上位
2002年の日本人渡航者全体の割合を見ると、男性55%、女性45%ですが、財産被害
に遭われた割合は、男性59%、女性41%となっていますので、若干ですが、男性の方
が高い確率で被害に遭っているといえます。女性の個人旅行者も増えていますが、一
般的に、男性は自由な個人旅行を行うケースが多く、その分犯罪の危険に遭遇しやす
いのかも知れません。「列車や長距離バス内でのスリ」、「車上狙い」といった被害
に遭う確率は、男性の方が圧倒的に高いことからも、一人旅には危険が伴いがちとい
うことが裏付けられます。
2. 男性をターゲットとする犯罪
女性に比べ、男性が被害となる確率が圧倒的に高いものには、上記の他、「話しか
けスリ」、「道案内スリ」、「睡眠薬強盗」、「いかさま賭博詐欺」などが挙げられ
ます。これらの犯罪被害には共通して「見知らぬ人からの誘いに応じてしまう」こと
に原因があります。
総じて、男性は不用心な方が多い(と犯罪者に見られている?)ということで
しょうか。
3. 女性をターゲットとする犯罪
反対に女性の被害件数が多いものには、「引ったくり」、「バイクによる強奪」、
「ケチャップスリ」などが挙げられます。女性はカバンや買い物袋などの荷物を持ち
歩く場合が多く、抵抗する腕力も男性と比べて弱いことから、「引ったくり」や「強
奪」などの強引な手口による窃盗には、常に用心しておいた方が良さそうです。
また、ケチャップ類を衣服につけられ、それに気をとられている間に身の回り品
を盗まれる「ケチャップスリ」は、女性心理を巧みについた犯罪と言えるでしょう。
男女間の違いが顕著に見られるこれらの手口。犯罪者の側に立つと「なるほど」
とうなずかれる方もいらっしゃるでしょう。
逆に、こうした事実を頭の片隅においておけば、ターゲットになる確率もぐんと
減るはずです。
しかし、犯罪者にとって最も狙いやすいのは、男女を問わず注意不足の方に違い
ありません。くれぐれもご注意を。