本日は、外務省で公表しております「海外邦人事件簿」から。
日本にないものを求めて海外旅行される方が多いと思います。
しかし、日本で犯罪行為とされるものは、当然ほとんどの国でも犯罪です。
しかも、場合によっては、思いもよらない大変な目に遭うことがあります。
(ケース1)
バリ島に旅行した30歳の男性。路上で購入したマリファナを所持していたところ
を、警官の職務質問を受けた際に発見され逮捕。5か月間拘留された後、
強制退去処分となった。
(ケース2)
ジャマイカのリゾート地に滞在していた20歳代前半の男性3人。
現地人の友人の車に乗っているところを、警察の検問にあいマリファナ所持が発覚、
逮捕。2人が6か月の拘留、1人が国外強制退去となった。
どうも外国で捕まっても日本より刑が軽いと思われているようです。
しかしマリファナ所持の場合の最高刑は、日本が7年の懲役なのに対して、
国によっては最高で無期懲役や死刑という重い罰則が科せられる場合もあります。
因みに、2003年1月現在、海外では42名(未決拘禁者を併せると74名)の日本人
が薬物関係の罪で刑に服しています。さらに禁錮(懲役)5年以上の重い刑罰を
科されている人が31名も存在し、その中には終身刑の人もいます。
実例に挙げたのはいずれも比較的軽い刑罰で済んだものですが、こうした統計を
見ても、軽い刑で済むケースはむしろ稀でしょう。
今回取り上げたのはいずれも観光客の事例ですが、留学生やワーキングホリデー・
メーカーなどの長期滞在者には短期の観光客以上に誘惑が多いと思います。
麻薬を当然のこととする雰囲気や、友人の誘いで、「いつでも止められる」と
思いつつ、はまってしまう人が多いためです。
また、ほんの軽い気持ちで知人からの依頼を引き受けたために、
「麻薬の運び屋」として逮捕され、重い刑罰を受ける場合も少なくありません。
外国で捕まっても日本国内に伝わらないと思われているようですが、通常、
外国の警察が日本人を逮捕した場合には日本大使館に通報があります。
現地の報道に出た結果、それを日本のプレスが報道することも少なくありません。
外国で犯した罪は国内にも伝わるのです。
いずれにしても、滞在先の国の法律を犯してしまったら、当然、その国の刑罰に
服さなければなりません。そのことを肝に銘じ、麻薬の類には決して手を出さない
ことです。