海外では毎年多くの旅行客が置き引き被害に遭っています。置き引きは旅行客のちょ
っとした気のゆるみにつけ込んだ卑劣な犯罪です。今回は特にレストランやファース
トフード店で発生する置き引き被害例を幾つかご紹介します。
旅先での美味しい食事は旅する者の心を和ませてくれると同時に緊張の糸をもゆるめ
ます。置き引き犯は、食事中に観光の話題で盛り上がる、あるいは通りがかりの見知
らぬ人を安易に信用する旅行客のこの様な心の隙を突いてくるのです。
『西欧のある街の由緒あるホテルで友達数人と一緒にビュッフェ・スタイルの夕食を
とっていた女性Aさん。隣の友達に「バッグを見ていてね」と声をかけてデザートを
とりに行き席に戻ると、バッグが消えていた。』
『北米のある都市の三つ星レストランで朝食をとっていた女性Bさん。見知らぬ男が
彼女の着ていたジャケットにコーヒーをこぼし、謝りつつコーヒーを拭おうとしたの
で、彼女はジャケットを脱ぎ、肩に掛けていたポシェットも椅子の上に置いた。コー
ヒーを拭ったその男が立ち去ると、ポシェットも消えていた。』
『東南アジアのある街のアイスクリーム屋でアイスキャンデーを食べていた男性Cさ
ん。見知らぬ女から「あなたの足元にお金を落とした」と言われたので、彼は椅子か
ら立ち上がりお金を拾ってあげた。その女が立ち去ると、背もたれに掛けてあったリ
ュックも消えていた。』
『北米のある港街のテラス式レストランで海鮮料理を食べていた男性Dさん。通りが
かりの見知らぬ老人に道を聞かれたので、身を乗り出して地図を指し示しつつ教え
た。その老人が立ち去ると、テーブルの脇に置いてあったバッグも消えていた。』
『南欧のある街のスタンドバーでハンバーグをほおばっていた男性Eさん。親切そう
な若者が身振り手振りで話しかけてきたので、ついつい話し込んだ。その若者が立ち
去ると、手元にあったセカンドバッグも消えていた。』
この様な置き引き被害に遭わないためには、○食事中でもバッグ等は絶対に体から離
さない、○高級そうなレストランでも決して油断しない、○見知らぬ人を安易に信用
しない、ことが肝要です。
保険に加入していれば後で金銭的補償は得られますが、パスポートを盗られると旅行
日程を変える必要も出てきます。楽しい海外旅行とするため、置き引きにはくれぐれも用心しましょう。
でもひょっとすると、あなたは多少のリスクはあっても食事は旅の醍醐味の一つなの
でリラックスして食べたいと思っていませんか? しかし、よーく考えてください。
置き引き被害は楽しい食事は勿論のこと旅の思い出も台なしにしてしまいます。
あなたは醍醐味追求派それとも慎重派?
勿論・・・・・ですよね。