ワーキングホリデーの事件例1

 皆さんは「ワーキングホリデー」という制度をご存じですか。
ワーキングホリデーとは、協定国相互の間で、20代の若者を対象に1年間の
滞在とともに、一定の条件付で就労や就学も認めるという査証(ビザ)制度の
ことです。
 現在、日本はオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス、ドイツ、
フランス、韓国の7カ国とワーキングホリデーの二国間協定を結んでいます。

 毎年大勢の若者がワーキングホリデー制度を利用して海外に赴いていますが、
残念ながら、これらの渡航者のトラブル遭遇率は、一般の渡航者に比べ著しく高く
なっています。ちなみに在外公館の援護の対象となる日本人は年間約16,000人。
 日本人の年間渡航者数は約1,700万人ですから、その比率は約0.1%に過ぎません。
 しかし、ワーキングホリデー渡航者に限って見ると、オーストラリアの場合では、
年間約1万人のワーキングホリデービザ取得者に対し、援護対象者は200人以上。
 その比率は一般渡航者の20倍以上という数字が出ています。

 統計資料から読みとれる「海外で最もトラブルに遭いやすい日本人モデル」と
して「20代の個人旅行者」を挙げました。ワーキングホリデー渡航者は、これに
「長期滞在」という要素も加わりますので、まさに、日本人渡航者の中でトラブル
に最も近い存在といっても過言ではないでしょう。

『ワーキングホリデー・ビザで規定された期間を超えて就労していたため、
 不法就労の罪で国外退去処分を受けた』

『宿泊先のバックパッカーズ宿で就寝中、脇に置いていた所持品を盗まれた』

『同宿者にキャッシュカードを盗まれ、多額の現金を引き落とされた』

『車を離れた隙に、トランクに入れてあったバッグを盗まれた』

『現地で知り合った男性から中古車購入を持ちかけられ、金銭をだまし取られた』

『速度違反で捕まった上、所持品検査で麻薬が見つかり現行犯逮捕された』

『現地で知り合ったガールフレンドを殴り、警察に通報され逮捕された』

『トラックの荷台に乗り仕事場に向かう途中、柵に激突して死亡した』

 これらはワーキングホリデー渡航者が経験したトラブルのほんの一例です。

 とりわけ、ワーキングホリデーを個人旅行の延長と考え、滞在中の計画は
白紙という方に、トラブルの傾向が強いことが伺えます。
 逆に、語学や技能の習得といった明確な目的意識をもって渡航される方の多くは、
安全で快適な滞在生活を送られていることも事実です。

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 ワーキングホリデーを計画する皆さん。皆さんはどちらのタイプですか?